出汁というと、鰹節や煮干し、昆布、干し椎茸のイメージが強いと思いますが、野菜からも出汁が取れるということを知っていましたか? 野菜の皮やへた、根元の部分など捨ててしまうところを使って「ベジブロス」という出汁を作ることができます。野菜を無駄なく使い切ることで、フードロス削減に繋がるだけでなく、より多くの栄養を摂ることができるため、免疫力を高める効果が期待できます。料理を美味しくしてくれるだけではない魅力の詰まった「ベジブロス」。作り方や美味しく食べるコツ、保存方法や使い方をご紹介します。
特徴
野菜に含まれるビタミンやミネラルはほとんどが水溶性のため、煮て作るベジブロスは、野菜の栄養成分がたくさん溶け込み、効率よく栄養成分を吸収することができ、免疫力アップに効果的です。 また、野菜のうま味が溶け込んだベジブロスを料理に使うことで、料理のコクがアップし、調味料を減らすことにも役立ちます。調味料を減らすことで、食塩の摂りすぎを防止でき、高血圧の改善や、むくみ解消を助けてくれる働きがあります。
作り方
【材料(約1ℓ分)】
野菜の皮やへた、根元など 250~300g
水 1.3ℓ
酒 大さじ1
① 鍋に野菜の皮やへたなどと水、酒を入れ、中火にかける。
② 煮立ったら弱火にして、ふたをしないで20~30分煮る。
③ ざるにキッチンペーパーを敷いてボウルに重ね、②をこす。
美味しく作るコツ
1ℓのベジブロスを作るときに必要な野菜くずは、両手に山盛り1杯分(250~300g)が目安です。5~6種類の野菜を組み合わせて使うと美味しくなります。また、材料はよく洗ってから使いましょう。早く作ろうと強火で作ってしまうと、野菜から苦みやえぐみが出てしまったり、野菜が崩れて濁ったりするため、野菜がゆらゆら動くくらいの弱火で煮ることがポイントです。
◎野菜の皮やへたなどが足りないとき 普段から袋に野菜の皮やへたを冷凍庫で貯めるようにし、ある程度たまったら使用するのが便利です。自分のタイミングでベジブロスを作ることができますし、冷凍すると野菜の組織が壊れるため、出汁が早く取れて楽に作ることができます。
べジブロスに向いている野菜、向いていない野菜
ベジブロスには、ピーマンやパプリカの種、ネギの青い部分、セロリの葉、パセリのじく、大根の皮や青菜の根元などが使用できます。しかし、キャベツやブロッコリーの芯、ゴーヤの種やワタは、苦みや臭みが出やすく、ナスのへたや皮は黒っぽくなるため、ベジブロスには向いていません。
保存方法
ベジブロスができたらよく冷まし、ボトルや瓶、タッパーなどの保存容器に入れて冷蔵庫で保存し、2~3日で使い切りましょう。ジッパー付きの保存袋に1~2カップずつ入れて冷凍すれば、約3週間保存ができます。凍ったまま鍋に入れて中火で解凍するとすぐに使用できます。
使い方
ベジブロスはあっさりしているため、どんなスープにもピッタリです。 また、カレーやシチューを作るときに、水から野菜を煮ますが、水の代わりにベジブロスを使用すると、味に深みが出ます。 さらに、お浸しにかける醤油にベジブロスを少し混ぜると、うま味が増し美味しくなります。
参考文献 ちゃぐりん 2020年11月号 14~18ページ
dヘルスケア https://health.dmkt-sp.jp/column/health/0502