最終更新日:2024年7月1日
山梨県の夏は甲府盆地に熱がこもり暑くなりやすいですが、今年も例年を上回る酷暑の予報です。みなさんも扇風機やエアコンを使用し、涼しい室内でパソコン、スマートフォン、テレビを見て過ごすことが多くなると思います。しかし、この快適な環境が目には厳しく負担をかけているのです。そこで、今回は夏本番前に夏に悪化しやすい「ドライアイ」の原因と、普段の生活でできるセルフケアの方法について紹介します。
「ドライアイ」とは
目の表面を覆っている涙の量や質に異常が起こることで、目は乾燥し、しょぼしょぼしたり、目を開けているのが辛くなるなど、目の不快感が起こることを指します。
「涙」について
目の表面を覆っている涙は、①保湿(目の乾燥を防ぐ)、②栄養補給(目に酸素や栄養を供給する)、③防御(汚れや細菌を洗い流す)などの大切な役割があります。このため、涙が少なくなると目には大きなダメージを受けることが分かります。
涙は「油層」と「液層」という2つの層に分かれています。外側の油層には、涙の蒸発を防ぐ働きがあります。内側の液層にはムチンという成分が含まれていて、涙を目の表面にとどまらせる働きがあります。しかし、涙の分泌量が正常でも2つの層のバランスが不安定になって、目の表面に留まりにくくなることで、ドライアイにつながります。
「涙の層」が不安定になる原因
「涙の層」が不安定になる主な原因は、「涙の分泌量が低下する」、「涙が蒸発し過ぎる」ことです。
<涙の分泌量が低下する理由>
加齢による涙腺の萎縮
緊張状態やストレス
コンタクトレンズの使用 など
<涙が蒸発し過ぎる理由>
エアコンや扇風機の風、空気の乾燥
スマートフォン、パソコンの長時間使用などによる瞬きの回数の低下
涙の表面の油分を分泌するマイボーム腺が詰まることによる油分不足
※マイボーム腺・・・上下まぶたの裏に分布し、まつ毛の生え際の少し内側に油の分泌口があります。
このようにして起こったドライアイは、放置すると眼精疲労の状態になり、肩こりや頭痛、不眠など身体の不調を引き起こすことがあるため、普段の生活でセルフケアしていきましょう。
自分でできる涙のケア
意識してまばたきをする
まばたきすることで涙の分泌が促進されます。パソコン作業、スマートフォンを見る時は伏し目がちにすることで、目の表面の乾燥する速さをゆっくりにすることができます。
乾燥に注意
エアコン、扇風機の風は目を乾かしてしまいます。目の保湿を意識した生活環境作りも大切です。
たっぷり睡眠
寝不足や不規則な生活は涙を減らす要因になります。睡眠時間をたっぷり確保しましょう。
点眼薬を上手に使う
目の表面の水分を補い、目を清潔に保つために点眼薬の使用がすすめられます。症状がよくならなければ早めに眼科を受診し、医師の指示に従って点眼薬を使用しましょう。
目を温める
温めたタオルでまぶたを温めると、油分を分泌するまつ毛の根本の詰まりが改善するため、油分が十分に補給され、涙が蒸発しにくくなります。
~温めたタオルでまぶたを温める~
40℃ほどに温めたタオルを5分間以上まぶたの上に当てます。
1日に2回程度を目安に行うのがお勧めです。
いかがでしたでしょうか。皆さんも生活環境を見直して、ドライアイの悪化要因を減らす心がけが大切です。また、症状があれば早めに受診し早期の診断と適切な治療につなげましょう。
参考文献
NEKテレビ番組 NHK健康チャンネルドライアイとは?原因や症状、治療法と涙を増やすセルフケア