最終更新日:2024年2月8日
皆さん、こんにちは。
まだまだ暑い日が続いていますが、元気にお過ごしでしょうか。
いつまでも健康で長生きしたい・・・誰もが願うことですが、そのためには、寝たきりの状態にならないような生活習慣を送ることが大切です。
そこで今回は寝たきりの原因となる「サルコペニア」「フレイル」を予防する方法についてお伝えします。
サルコペニアとは?
握力や下肢筋・体幹筋など「全身の筋力低下が起こること」、または、歩くスピードが遅くなる、杖や手すりが必要になるなど「身体機能の低下が起こること」を指します。言い換えると、寝たきりや転倒・骨折などのリスクが増える状態のことです。
サルコペニアの要因
加齢や疾患により、筋肉量や食事(特に筋肉を作るたんぱく質)摂取量が減少することが要因です。筋肉量の減少⇒運動量の低下⇒食欲の低下⇒低栄養状態⇒さらに筋肉量が減少・・・など悪循環を引き起こしてしまいます。
サルコペニアになりやすいタイプ
1.高齢で瘦せ型
食事摂取量が少なく、特に肉や魚などから摂取する動物性たんぱく質が不足する傾向があるためです。
2.メタボ体型だけど筋肉がない =(サルコペニア肥満)
食事制限のみの減量で筋肉量が減ることが原因です。生活習慣病になるリスクはメタボリックシンドロームの方よりも高くなります。お腹は出ているのに脚は細い、食事制限はしているが運動をしていない、という人は要注意です。
3.極端なダイエットをしている
高齢の人だけでなく、若い人でもサルコペニアになる可能性があります。食事制限が中心の極端なダイエットは危険です。
サルコペニアのセルフチェック
ふくらはぎの一番太い部分に、両手の親指と人差し指を合わせるようにして輪を作ります。輪でふくらはぎを囲むことができない、もしくはちょうど囲める方は問題なしです。逆に、指がしっかりと重なる、またはふくらはぎと輪の間にすき間ができる場合は、サルコペニアの可能性が高い方です。
【指輪っかテスト】
フレイルとは
虚弱という意味です。加齢と共に心身の活力(筋力や認知機能等)が低下した状態で、発症すると要介護状態に進みやすくなります。フレイルは健康と要介護状態の中間です。
フレイルの要因
フレイルの要因は3つ挙げられます。
1.身体的要因:サルコペニア、※ロコモティブシンドローム
2.精神的要因:うつ病、認知症
3.社会的要因:孤独、閉じこもり
※ロコモティブシンドロームとは、骨、関節、筋肉に支障をきたして運動障害がひき起こされる状態
サルコペニアとフレイルの違い
サルコペニアは筋肉量や筋力の低下による身体機能の低下であることに対し、フレイルは身体的だけではなく、精神・心理的、社会的な衰弱や虚弱を含みます。
サルコペニア・フレイルの予防のために
食事
1.筋肉を作るために、良質なたんぱく質を摂取しましょう。
お茶漬けだけ、パンだけ、といった単品の食事では、肝心のたんぱく質がほとんど摂れないため、肉、魚、卵、大豆製品などの良質なたんぱく質を摂取することが大切です。たんぱく質の適量は、肉や魚の大きさは片手のてのひらに乗るサイズで、厚さは手の厚みが目安、刺身は5~6切れ、卵1個、豆腐1/3丁(3つセットの1パック)、納豆1パックなどの中から1食に1~2品です。
2.骨を強く保つためにカルシウムを摂りましょう。
日本食はあまり乳製品を使わないので、カルシウムが不足しがちです。クリームシチュー等の牛乳を使った洋食も取り入れる、間食にお菓子ではなくヨーグルトを食べるなど、意識して乳製品を摂取しましょう。またカルシウムの吸収率アップのために、くろかじき、さんま、鮭、干し椎茸、きくらげ等の、ビタミンDの多い食品を取り入れることがおすすめです。さらに、酸味は胃腸の消化液の分泌を促し、カルシウムの吸収を高める働きがあります。酢、梅干、レモン等、酸味のある調味料や食材を活用しましょう。
運動
ウォーキングやプールでの歩行などの有酸素運動や、レジスタンス運動がお勧めです。レジスタンス運動とは、筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動のことです。運動をする際は呼吸を止めず、深呼吸しながら行うように意識しましょう!
おすすめのレジスタンス運動
1.スクワット
(1)両足は肩幅くらいに開いて立ち、両手で椅子の背や机などを持ちます。
(2)太腿の裏側が床と平行になるように、お尻を下にまっすぐ落とします。
※背中が丸くなったり、かかとが浮いたりしないように注意しましょう。
(3)太腿の前に力が入っていることを意識しながらゆっくり10回行います。
2.上体起こし
(1)両膝を立てて仰向けに寝て、両手は頭の後ろで組みます。
(2)おへそを覗き込むように頭を持ち上げます。
(3)お腹に力が入っていることを意識しながら、ゆっくり10回繰り返します。
3.ランジ
(1)片足を前に出し、膝を曲げて体重をかけていきます。
(2)(1)の状態からゆっくり元に戻します。足を入れ替えて交互に10回行います。
日常生活でこまめに動く
普段から運動習慣のない方にとって運動をはじめるのは難しく、長続きしない可能性もあります。そういった方は、日常生活の活動量アップを目指しましょう。例えば、外出時なるべく徒歩で出かける、階段があれば積極的に使用する、テレビを見ながら筋トレなどの運動をする、家族や友人に会いに行く、催し物に行くなど、外に出掛けるきっかけをつくるなどがおすすめです。
これらの食事や運動について、日常生活でできることを取り入れてみてください。
サルコペニアやフレイルを予防し、健康でいきいきとした生活を送りましょう!
参考文献・サイト
特集 フレイル・サルコペニア・ロコモを知る・診る・治す 葛谷雅文 日本老年医学会雑誌2015
健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)
e-ヘルスネット
健康長寿ネット