最終更新日:2024年4月23日
腸活を始めよう!
みなさんは、排便後に便の状態をチェックする習慣がありますか?
便は腸内環境を伝える腸からのメッセージです。腸内環境を整えることは健康管理につながります。また、腸活をすることにより次のような効果も期待することができます。
免疫力が高まる
質の良い睡眠に繋がる
老化予防になる
肥満の予防になる
腸からのメッセージを受け取り、腸内環境を整えて腸の働きを正常にする「腸活」をしていきましょう。
腸からのメッセージをチェックしてみよう!
腸を通って排泄する便には腸からのメッセージが含まれています。食べ物が胃や腸などで消化・吸収されて、必要な栄養を吸収した後の排泄物なので、「食べ物のカスが便になる」と思われがちですが、実は便の主成分の約80%は「水分」なのです。他の20%が食べカスや、腸内細菌、腸粘膜が剥がれ落ちたもので出来ています。そのため腸内環境が乱れ、水分が多くなったり細菌の増減などの要因から便が普段の様子と変わります。だからこそ、この便の「形・色・臭い・量」を知ることが腸活の第一歩となります。トイレで流す前に腸からのメッセージを受け取り、自分の腸内環境を確かめてみましょう!
続けて、便の「形・色・臭い・量」をチェックする方法をお伝えいたします。
どんな形をしているか
便の形は含まれる水分の量によって決まります。腸内に長くとどまると、 腸が水分を余分に吸収して硬くなってしまいます。普段から一時間おきにコップ一杯程度の水やお茶等の水分をこまめにとり、便秘の時はさらにしっかり水分をとるようにして、便に必要な水分を確保しましょう。
どんな色をしているか
便の色というと茶色が思い浮かびます。それは「胆汁」に含まれる「ビリルビン」という物質が便を茶色くしているためです。ビリルビンは、腸内のpHが酸性かアルカリ性かによって色が変わる性質をもっています。
大腸の中に善玉菌が多いと、腸内は酸性に傾き、健康な黄褐色に。悪玉菌が増えると、腸内はアルカリ性に傾き、黒っぽい焦げ茶色になるのです。
※黒色の場合は腸内で、赤色の場合は肛門近くで出血している可能性があります。また、見た目の変化がなくても、健康診断等で便潜血検査が陽性となった場合は、大腸がんなどの病気のサインの可能性が高いです。このような場合は、必ず消化器内科を受診しましょう。
臭いが強くないか
腸内細菌は大きく「善玉菌」「日和見菌」「悪玉菌」に分類できます。「善玉菌」を増やすと、便秘の改善にもなり、便の臭いは抑えられ、便秘の改善にもつながると考えられています。そして、「悪玉菌」は肉などのたんぱく質や脂質を好みます。食生活が肉や脂っこいものに偏ると、便秘になり、さらに悪玉菌が増えるという悪循環を招き、便の臭いが強くなります。
量はどのくらいか
理想的な便の量は、食事の量や排便回数にもよりますが、バナナ1 ~ 2本くらい、重さにすると約300gが理想です。 便のカサになるものは不溶性食物繊維なので、毎食、不溶性食物繊維をとっている人ほど便の量は多くなり、逆に肉類中心の食事をしている人は便の量が少なくなる傾向にあります。ちなみに水溶性食物繊維は便を軟らかくする働きがあります。
良い便をつくるには?
普段から良い便が作られることを意識していくことが、腸活につながります。
これから紹介する内容を参考にして、日常生活を見直してみましょう。
お勧めの食材
便の水分を確保してくれる水溶性食物繊維や腸内にいる善玉菌の栄養分となる食物繊維やオリゴ糖を摂取することが大切です。具体的には野菜類や果物、海藻や豆類、穀物などに多く含まれます。水溶性食物繊維やオリゴ糖は、小腸で吸収されず大腸まで届き、善玉菌の栄養分となり分解されて腸内を弱酸性に保つので、善玉菌が活発に作用する事につながります。
良い便を出すためには、まず善玉菌(乳酸菌、ビフィズス菌)の摂取と、善玉菌の栄養分になるオリゴ糖を取り入れることが大切です。
また、ヨーグルトや納豆、麹のように乳酸菌やビフィズス菌を含む食物も大切です。ただし、基本的には生きた菌を口から摂取したとしても、多くは胃酸で死んでしまい、腸内に留まらず、便として排出されてしまいます。生きて腸まで届く菌を、定期的に摂取することでその効果が実感できます。
腸活に関する食コラムと健康情報
運動と睡眠
適度な運動で、腸腰筋というインナーマッスルを鍛えると、腸の蠕動(ぜんどう)運動が促され、排便しやすくなります。ピラティスやバランスボールを使用した筋トレなどでインナーマッスルを鍛えましょう。運動が難しい場合は、買い物や通勤、通学など日常生活のなかで、できるだけ歩く事でも効果が期待できます。
また、規則正しい時間に眠ることや十分な睡眠をとることも大切です。リラックスして眠ると、腸は活発に動き出し、寝ている間に便を大腸に運んでくれます。それは朝食後に排便する習慣にもつながります。
いかがだったでしょうか。腸活は腸内環境を整えると同時に生活リズムの改善や運動不足の解消などにもつながります。無理のない範囲で取り組んでみてください!
参考文献:
・医学博士が勧める腸活食材20選 | 朝日新聞Reライフ.net