目に負担をかけずに読書を楽しみましょう!
残暑も和らぎ、過ごしやすい季節となりました。暑さの落ち着く秋は集中力が高まりやすく、読書に最適な季節です。秋の夜長は過ごしやすく、気の向くままに読書を楽しむ人も多いはずです。読書に夢中になるあまり、薄暗い中で読書をしたり、休憩なしで読みふけったりした経験はないでしょうか。「読書の秋」といわれるこの季節、目に負担をかけない読書方法をご紹介します。
読書前に気を付けること
読書をする前に、まず目に優しい環境を整えることが大切です。部屋の明かりが十分かどうか確認し、これに加えて、手元を照らす電気スタンドをつけることも重要です。この時、頭や手の影で本が暗くならないようにする必要があります。ただし、まぶしいと感じる強すぎる明かりは網膜に刺激を与えるため、避けましょう。見たいところに均一に光を与えることが大切です。
読書中に気を付けること
椅子に座っている場合、背筋を伸ばした正しい姿勢で座り、目と本をできるだけ離して読むことが大切です。背筋が曲がると前かがみになり、目と本の距離が近づいてしまう可能性があります。
読書中、集中すると自然とまばたきの回数が減ってしまいます。集中するあまりまばたきの回数が減ると、眼が乾燥し角膜の表面がざらつく「ドライアイ」状態になります。こうなると、網膜でピントが合いにくくなり、物がかすんでみえます。眼を乾燥させないようにまばたきをしたり、目薬をさしたりすることも効果的です。
また、目の疲れを感じた時に、ついこすってしまうのは筋肉をほぐしたい為でもあります。しかし、目はとても複雑な構造でデリケートにできています。直接圧力を何度も繰り返し加えるのは、かえって目を傷める原因になるので控えましょう。
休憩方法
定期的に休憩をはさむこともおすすめです。休憩中は窓の外を眺めるなど、なるべく遠くを見ることで水晶体の調整力を休ませます。室内の場合でも最も遠くにあるものをぼんやりと眺めるのが、最も効果的です。時計やカレンダーなどを凝視するのではなく、なんとなく2~3分眺めるのが良いです。
最近増えている電子書籍の注意点
最近主流になってきている電子書籍をスマートフォンやタブレット端末で利用される方も増えてきているのではないでしょうか。手に取りやすいスマートフォンですが、スマートフォンの画面を長時間見続けてしまうことにより、若い人でも老眼のような症状が出てきてしまいます。目に負担をかけないよう次の注意点を守ることが大切です。
まず、モニター画面そのものから調整します。スマートフォンやタブレット端末は、購入時の設定が文字や画面がくっきり見えるように高い輝度に設定されています。しかし、輝度が高すぎる画面を長時間見ていると、自分では気が付かないうちに目や脳への負担が大きくなってしまいます。あらかじめ、モニター画面の輝度は控えめに調節しておきましょう。また、表示される文字も小さすぎると凝視してしまうので、自分が読みやすい大きさに設定しなおしましょう。
電子書籍を見る際は、伏し目がちに見るようにタブレット等の位置を調整して目の乾燥を防ぎましょう。最もよくないことは近づいて見ることです。画面と目が近いほど強い光が網膜に障害を与えます。30㎝以上は離して見ましょう。また、夜寝る前にベッドに入って暗い中で見ると瞳孔が開いて光が目の中に入りすぎて近視や乱視が進む原因になったり眼精疲労などのトラブルが起こりやすくなりますので注意しましょう。また、歩きながら電子書籍をみることは、不安定で危険なので避けましょう。
今回ご紹介した注意点を守り、目に負担のかけない工夫をしながら読書を楽しみましょう。
参考文献;ウルトラ図解白内障・緑内障 視力を失わないための最新知識と治療 ビッセン宮島弘子 2018 法研、世界一の眼科外科医がやさしく教える 視力を失わないためにできること深作秀治 2020 主婦の友社