暑い日が続いていますね。なかなか寝付けず体調不良を感じる人も多いのではないのでしょうか。日々の疲れをとるためには、質のよい睡眠をとりたいものです。
今回は、より良い快眠リズムをつくるための安眠ポイントをご紹介します。
質のよい睡眠をとるために
まず、質の良い睡眠をとるために重要になってくるのが「眠り始めの90分」です。人は眠りに落ちてから目覚めるまでずっと同じように眠っているわけではありません。
眠りにはレム睡眠(脳は起きていて体が眠っている睡眠)とノンレム睡眠(脳も体も眠っている睡眠)の2種類があり、それを繰り返しながら眠っています。寝ついた後、すぐに訪れるのはノンレム睡眠です。この最初の90分間のノンレム睡眠は睡眠全体の中でもっとも深い眠りです。ここで深く眠れれば、その後の睡眠リズムも整い自律神経やホルモンの働きも良くなるといわれています。
快眠リズムをつくるための安眠のポイント
1.就寝90分前までの入浴
人間は、一般に体温といわれる体表面の温度の上昇とともに眠くなり体の内部の温度(深部体温)が低下すると入眠します。したがって就寝前に入浴して体を温めると深部体温が高くなり入眠までの時間がかかってしまいます。入浴するならば、就寝90分前までにすませておくとよいでしょう。また適度に温まる半身浴がおすすめです。すぐ寝る方は、深部体温が上がり過ぎないシャワーがおすすめです。
2.光環境~夜は暖色系~
強い光は脳を覚醒方向に導きます。スマホを寝室に持ち込みメールチェックする人も多いですが、画面から発せられるブルーライトも覚醒刺激を与えますので寝室では睡眠以外のことはしないことが鉄則です。
3.熱環境
最適室温は夏が25℃~26℃で、冬は22℃~23℃、また最適湿度は50~60%といわれています。夏に寝苦しいのは、夏の高温環境下では体から熱が拡散されず、深部体温が下がらないためなかなか入眠できないのです。エアコンは28℃前後で設定するのがいいでしょう。適温は個人差があるため、温度は適宜調整していきましょう。眠り始めてから最初の3時間は効果的に深部体温を下げる必要があるため、エアコンをつけっぱなしにしない方は3時間後にタイマー設定をしましょう。
4.音環境~40デシベル以下に(静かな図書館レベル)~
寝室に音楽を持ち込み聞きながら寝つくという睡眠法は否定しないものの、音源にはタイマーをかけ、深いノンレム睡眠が現れる30分以上前に電源が切れるようにしましょう。ノンレム睡眠の浅い段階では雑音の影響を受けやすく覚醒しやすくなっています。
5.香り環境
人間の五感の中で、嗅覚は睡眠欲などの人間の本能と密接に関わる大脳辺縁系に刺激を与える為だと言われています。ラベンダーやカモミールなど特定のエッセンシャルオイルの香りは催眠効果が認められています。
上記でご紹介した安眠ポイントを参考にし、睡眠の質を高めて寝苦しい暑い夏をのりきりましょう!
参考文献
古賀良彦、睡眠と脳の科学:祥伝社、2014
西野精治、スタンフォード式 最高の睡眠:株式会社サンマーク出版、2017