最終更新日:2023年11月9日
気が付かないうちに酸欠?マスク生活にご注意を!
いよいよ暑さも本格的になってきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。
暑さに加え、コロナウイルスの流行でマスクが手放せない生活が続いており、息苦しさを感じることはありませんか?
日々の暮らしに欠かせないものとなったマスクが、実は酸欠の原因になっています。そのため、ご自身の呼吸を見直して酸欠を改善する工夫が必要です。そこで、「かくれ酸欠」とは何か、酸欠が与える影響、酸欠を改善するストレッチをご紹介していきたいと思います。
かくれ酸欠とは?
「かくれ酸欠」とは、気づかないうちに呼吸が浅くなり、体に取り込む酸素が不足する状態のことを言います。では、なぜマスクをしている時に「かくれ酸欠」になりやすいのでしょうか。
それはマスクで鼻と口をおおっていると酸素の摂取量が減ってしまうことに原因があります。現在、コロナウイルスの流行で多くの方がマスクをしています。加えて、コロナウイルスによるストレスで自律神経のバランスが崩れると呼吸も乱れ浅くなります。その結果、体の酸素不足を引き起こします。
酸欠が心と身体に与える影響
1.慢性的な片頭痛
酸欠状態が長く続くと脳の血管の拡張が起こり、その周囲にある神経が刺激され炎症を起こすことで慢性的な片頭痛の原因になります。
2.不安やイライラの増幅
脳に酸素が行き渡らないとセロトニンと呼ばれる幸せホルモンの分泌が滞ると言われており、不安やイライラが増幅されてしまいます。
3.免疫力の低下
全身の隅々まで免疫細胞を運ぶためには、血流を良くすることが重要です。しかし、全身が酸欠に陥ると、血流は滞ります。体温の低下とともに免疫細胞が運ばれにくくなり、免疫力の低下に繋がります。
4.首のこりや肩こりを引き起こす
酸欠により呼吸が浅くなることで、血流が悪くなります。その結果、首や肩こりの原因になります。
酸欠を改善する呼吸筋ストレッチ
これから紹介するストレッチ中の呼吸は3秒かけて鼻から吸い、6秒かけて口から吐くことを意識しましょう。
1.肩のストレッチ
まずは少し足を開いて、背筋を伸ばします。次に3秒かけて鼻から息を吸い、肩を上げます。そのあと6秒かけて口から息を吐きながら、肩を下ろします。
出来る方は、肩を後ろに回して元に戻してみましょう。
2.お腹の呼吸筋ストレッチ
右手を頭の後ろに当て、左手を腰に当て、3秒かけて鼻から息を吸います。
次に6秒かけて口から息を吐きながら、左側に身体を倒します。(右肘を上に持ち上げます。) この時、背中が丸まらないよう体を真横に倒すイメージで行ってください。
日常生活における注意点
1.普段から姿勢を伸ばす意識をしてみましょう!
姿勢をつくる筋肉と呼吸筋は同じ筋肉です。また、呼吸が浅く速くなってしまう理由にはパソコンやスマホ作業による長時間の前かがみ姿勢が挙げられます。そのため、日頃から胸を張り、背筋を伸ばす意識をするようにしてみてください。
2.大きな声で歌ってみましょう!
大きな声で歌うと長く息を出し入れすることになり、深くゆっくりとした呼吸が身につきます。コロナウイルスの流行により大きな声を出すことが難しい状況ですが、お風呂や車などで是非歌ってみてください。
3.息を吐き切る意識をしましょう!
年齢とともに「息を吐いた後に肺の中に残る空気の量」は増えていきます。先程ご紹介した呼吸筋ストレッチを定期的に行い、意識的に息を吐き切り肺の中の空気を出し切るトレーニングをしてみてください。
いかがだったでしょうか?ご紹介した対策で、是非かくれ酸欠予防をしてみてください。
また、人間ドックで実施している健康教室では、呼吸筋を鍛えるストレッチを他にも紹介していますので、
ぜひご参加ください。
参考文献
京谷達矢(2020) 隠れ酸欠から体を守る横隔膜ほぐし 青春出版社 20p
奥仲哲弥(2020) 不調の9割は「呼吸」と「姿勢」でよくなる!専門医が教える自律神経が整う「呼吸筋トレ」 あさ出版 41p