最終更新日:2023/11/09
こころの病気ってなに?
みなさんは最近、体の不調や心にストレスを感じることはありませんか?
こころの病気で病院に通院や入院をしている人たちは、国内で約420万人にのぼりますが(平成29年)、これは日本人のおよそ30人に1人の割合です。生涯を通して5人に1人がこころの病院にかかると言われています。こころの病気は特別な人がかかるものではなく、誰でもかかる可能性のある病気といえるでしょう。
こころの病気は体の病気と同じように治療をうけることが大切で、「焦らず、じっくりと治す」ことで多くの場合は回復し、社会の中で安定した生活をおくることができるようになります。
また、こころの病気になるときは多くの場合、少しずつ病気のサインが出ているものです。自分自身やあなたの身近な人にそのサインが出ていたとき、こころの病気についての知識を持っていることが役に立つはずです。
こころの不調チェック
次のチェックリストでこころの不調がないか調べてみましょう。
自分の家族や友人などが項目に当てはまるかも思い浮かべてみてください。
こころの不調チェックリスト |
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周囲の人が気が付きにくい変化 |
周囲の人が気づきやすい変化 |
気分が沈む、憂うつ 何をするのにも元気が出ない イライラする、怒りっぽい 理由もないのに、不安な気持ちになる 気持ちが落ち着かない 胸がどきどきする、息苦しい 何も食べたくない、食事がおいしくない なかなか寝つけない、熟睡できない 夜中に何度も目が覚める |
服装が乱れてきた 急にやせた、太った 感情の変化が激しくなった 表情が暗くなった 一人になりたがる 不満、トラブルが増えた 他人の視線を気にするようになった 遅刻や休みが増えた ぼんやりしていることが多い ミスや物忘れが多い |
当てはまるものはありましたか?
該当する項目が多いほど、こころに不調が出ている可能性が高くなります。
ストレスをためないための暮らし方
ストレスとは外部から刺激を受けたときに生じる緊張状態のことを指します。ストレスを受けている状態では、眠れない、お腹が痛くなる、怒りっぽくなるなど、何かしらストレスサインが出ているものです。こうしたサインが必ずこころの病気と関連するわけではありませんが、ためすぎるとこころや体の調子をくずしてしまうこともあります。
日常生活でストレスをためないためのポイントを知りましょう。
生活リズムを整えましょう
ストレスと上手につきあうには、まず毎日の生活習慣を整えることが大切です。バランスの取れた食事や良質の睡眠、適度な運動の習慣を維持することが、心身の健康の基礎になります。
また、ストレスがたまったときの対策として、日常生活の中でリラックスできる時間をもつことも大切です。ゆっくりと腹式呼吸をする、ぼんやりと窓の外を眺める、ゆったりお風呂に入る、軽く体をストレッチする、好きな音楽を聴くなど気軽にできることをまずやってみましょう。
ただし、お酒を飲んでつらさを紛らわせようとすると、睡眠の質が低下し、こころも不安定になることがあるので気をつけましょう。
頭を柔らかくしましょう
ストレスを感じているときは、物事を固定的に考えてしまうことがあります。たとえば、「必ず、○○をしなければならない」と考え、それがうまくいかないときには強いストレスを感じてしまうでしょう。問題点や良くないことばかりに注目しがちになります。そんなときは、実際にできていることやうまくいっていることに意識を向けるのもよいでしょう。考え方やものの見方を少し変えてみるだけで、気持ちが少し楽になることがあります。
困ったときは誰かに話してみましょう
困ったときやつらいときに話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になることがあります。話すことで自分の中で解決策が見つかることもあります。相談に乗ってもらえたという安心感も気持ちを落ち着かせるでしょう。友人、家族、同僚、地域や趣味の仲間など、日頃から気軽に話せる人を増やしておきましょう。
その一方で、こころと体の不調が続くときには、早めに専門家に相談するようにしましょう。
いかがでしょうか?
こころの病気については、保健所・保健センター、精神保健福祉センターだけでなく、職場の産業医や自治体の相談所などでも相談できます。また、こころの病気を診る医療機関には、精神科、精神神経科、心療内科などがあります。気になる症状が続くとき、生活に支障が出たり、つらい状態が長引いたりする場合は自己判断せずに、周囲の人や専門機関に相談することが大切です。
参考文献:厚生労働省 みんなのメンタルヘルス|厚生労働省 (mhlw.go.jp)