血液検査オプション② ~腫瘍マーカー・甲状腺刺激ホルモン検査~
※血液検査オプション①についてはこちらから
画像診断とセットで本領発揮!様々ながんの検査が可能な腫瘍マーカー
人間ドックや健康診断でよく目にする腫瘍マーカー検査ですが、そもそも腫瘍マーカーとは何かご存知でしょうか。
「腫瘍マーカー」とは、主にがん細胞によって作られるタンパク質などの物質で、がんの種類や臓器ごとに特徴があり、血液や尿などで調べることができます。そしてそれがどのくらい含まれるのかを測定するのが「腫瘍マーカー検査」といい、がんの補助診断や診断後の経過観察、治療の効果判定などを目的として用いられます。
代表的な腫瘍マーカーの特徴は下記のとおりです。
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項目 |
特徴 |
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CEA |
大腸がん、肺がん、胃がん、乳がんなどで高くなります。喫煙者や糖尿病、慢性肝疾患でも上昇することがあります。 |
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CA19-9 |
膵臓がん、胆のう・胆道がん、胃がん、大腸がんで高くなります。慢性膵炎、胆石症、肝炎などの肝機能障害、胆のう炎や胆管炎でも上昇することがあります。 |
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PSA(男性) |
前立腺がんで高くなります。前立腺肥大症なのでも上昇することがあります。 |
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CA125(女性) |
早期診断が比較的困難な卵巣がんで高くなります。子宮内膜症でも上昇することがあります。 |
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CA15-3(女性) |
乳がんの診断に対し特異性の高い腫瘍マーカーで、主に治療効果の判定や罹患後の経過観察に用いられています。 |
「血液の検査でがんが分かる!」と一見万能にも思える検査ですが、がん以外の病気でも数値が高くなることや、数値が高くてもどの場所にがんが存在するのかを正確に判断することが困難なため、単体の受診結果だけで診断することは難しいのが現状です。
しかし、人間ドックや健康診断などの画像検査と合わせて受診することで、より精度の高い診断結果を得ることが可能になります。通常は画像検査で異常が見つかることの方が多いですが、画像では異常がなくても、一緒に受診した腫瘍マーカー検査の結果を踏まえ、念のため再検査を実施したところ、がんが見つかったというケースもあります。
両者を併せて受診することで人間ドックや健康診断の検査結果をより生かせることが可能になるため、機会があれば一緒に受診することをおすすめします。
女性におすすめしたい「甲状腺刺激ホルモン検査」

甲状腺とは図のような場所にある臓器で、そこから分泌されるのが「甲状腺ホルモン」です。
主に体の代謝をコントロールしたり体温の調節機能に影響するなど、日常生活を送るためになくてはならない大切なものです。そしてそのホルモンの分泌量を調整する働きを持つのが「甲状腺刺激ホルモン(TSH)」で、このTSHが正常に分泌されているかどうかを確認するのが「甲状腺刺激ホルモンTSH検査」です。この検査では採血した血液中のTSH値を測り、基準値の範囲内かどうかを調べていきます。
●数値が基準値よりも低いケース…甲状腺機能亢進症(バセドウ病や亜急性甲状腺炎)の可能性を検討します。
●数値が基準値よりも高いケース…甲状腺機能低下症の可能性を検討します。
ただし、腫瘍マーカーと同様それらの疾患以外の要因でも数値が変わることもあり、単体での検査では正確な判定はできないため、人間ドックや健康診断などの定期検診と合わせて受診することをおすすめします。
血液検査のウラ側を見てみよう ~知ってる?色とりどりな採血菅~
前回記事に引き続き採血後の血液がどのように検査されているか調査すべく、広報企画課が厚生連の検査ラボを取材してきました。
※前回の記事はこちら
●色で項目がわかる採血管
採血する際に血液が入っていくガラスの管のことを採血管といいますが、実はこの採血管は一種類ではなく、検査の目的に応じてキャップの色や大きさなど様々な種類があるのをご存知でしょうか。
それぞれの採血管にはあらかじめ試薬が入っており、調べたい内容に合わせて適切なものを使い採血します。ここで人間ドックや外来診療でよく使用される代表的なものをご紹介します。
◀さまざまな種類の採血管
・紫キャップの採血菅
白血球の数や赤血球の数、濃さなどを調べます。また細胞の数を数えるために、血液が固まらないよう管の内側に「抗凝固剤」が塗布してあります。
・茶色キャップの採血管
血液中の成分を分析し、身体の異常や栄養状態、疾患の有無などを調べます。結成分離剤と呼ばれる白い塊が入っており、遠心分離することで検査に 使用する結成成分を分けることができます。


他にもたくさん種類がある採血管ですが、採血の際に誤ったものを使用しないよう受診者ごとに氏名や検査内容が記載されたラベルを発行し、氏名確認の方法やラベルを貼るタイミングまで細かく定めたマニュアルに沿って採血することを徹底しています。また外来診療では写真のような機械(採血管ラベラー)にと電子カルテが連動しており、医師が指示した検査内容(オーダー)に応じて適切な採血菅セットが、ラベルが貼られた状態で出てくるようになっています。
採血管が色分けしてあることで、誰もが使用する採血管の判別がしやすくなり、誤った採血管を使用を防ぐことができます。採血ひとつにも、いろいろな工夫があるのですね。
検査料金および申込方法
検査料金は以下の通りです。
2025年度料金
■腫瘍マーカー・甲状腺刺激ホルモン検査…4,950円(税込)
(CEA・CA19-9・CA125・PSA・甲状腺刺激ホルモンTSH)
■CA15-3(乳がん腫瘍マーカー)…2,750円(税込)
※令和7年4月より開始 乳がんの罹患歴がある方のみ受診可能です
■PSA検査(前立腺がん腫瘍マーカー)…1,650円(税込)
人間ドック当日の問診時にお申し込みください。
※上記金額は補助適用前の金額です。ご加入の健康保険より補助が受けられる場合があります。
その他、様々なオプション検査が受診可能
他にも多くのオプション検査をご用意しております。詳細はこちらからご覧ください。

