大好評!厚生連オリジナルの雑穀玄米
厚生連の人間ドックでは令和6年の4月より、昼食時のごはんを「白米」と「雑穀玄米」の2種類から選べるようになりました。どちらともおいしいJA梨北米を使用しており、特に雑穀玄米は受診者の皆様から大変好評をいただいております。今回は、管理栄養士がこだわりブレンドしている雑穀玄米のおいしさの秘密をご紹介します。
雑穀玄米、美味しさの秘密
雑穀玄米は玄米(胚芽や糠層が残っている状態のお米)に様々な穀物を混ぜたもので、混ぜる穀物の種類や割合によって、様々な食感や味を楽しむことができます。厚生連では、JAのブランド米である梨北米玄米に独自の配合で「もち麦」と「黒米」をブレンドし圧力釜で炊き上げています。この独自の配合によりプチプチ、もちもちの食感を存分に楽しめる雑穀玄米に仕上げています。
雑穀米の種類
玄米
白米と同じくJA梨北米を使用して、特徴である米の粘りと甘みを楽しむことができます。
もち麦
大麦の一種で食物繊維が多く、なかでもβ-グルカンが豊富に含まれており、食後の血糖値の急上昇を抑える働きがあると言われています。口の中でプチプチと弾ける、心地よい食感を存分に楽しめます。
黒米
黒米は別名「古代米」とも言われ、食物繊維やビタミン、ミネラル類が含まれていることから古来から重宝されてきました。また、白米には含まれないポリフェノールの一種である“アントシアニン”を豊富に含んでおり、黒米はこのアントシアニンによって黒く色付いています。さらに黒米は餅米のため、もちもちの食感も特徴です。
おいしさの秘密「黒米」の産地へ!管理栄養士自ら取材へ行ってきました
雑穀玄米のおいしさを知るためには、お米を栽培しているところから見てみる必要があると考え、雑穀玄米の材料の一つである「黒米」を生産している農事組合法人 長坂ファーム組合さん(北杜市長坂町)に、管理栄養士が取材に伺いました。
田一面、金色に輝く稲が倒れそうなくらい大きな粒を実らせています。黒米はコシヒカリより約1ヶ月ほど後に稲を植え、刈り取り時期も遅く、取材に訪れた10月はまさに収穫の真っ只中でした。
黒米の特徴である艶やかな黒いお米を収穫するには、この刈り取りのタイミングを見定めることが大切で、早すぎても遅すぎても色に影響が出てしまうそうです。そのため水分計で確認したり、JAに相談したりしながら収穫時期を決めて、収穫を行っているとのことでした。
「黒米は黒ければ黒いほど栄養価が高くおいしくなるので、慎重に育てています」と生産者さんは話されていました。
その後、刈ったものを乾燥機にかけ籾摺り(もみすり)し玄米にしています。こうした過程を経て、この艶やかな黒いお米が出来上がります。
ひと粒にぎゅっと詰まった栄養!
黒色の正体!アントシアニン
アントシアニンは植物が紫外線などのダメージから身を守るための青紫色の色素成分です。黒米にもこのアントシアニンが含まれているため、艶やかな黒色を帯びています。アントシアニンは抗酸化作用が強いため、アンチエイジングや生活習慣病を予防する効果をもたらします。
黒米の栄養
白米に比べるとたんぱく質や食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養素が幅広く含まれています。整腸作用のある食物繊維は白米の2.2倍、貧血を予防する鉄は4倍、疲労回復を促すビタミンB1は7倍と栄養価が高く、長期的な健康維持に効果的です。
表:黒米の栄養価(めし100gあたり)
栄養価 | 白米 | 黒米 |
エネルギー | 156cal |
150cal |
たんぱく質 | 2g | 3.6g |
食物繊維 | 1.5g | 3.3g |
カリウム | 29mg | 130mg |
マグネシウム | 7mg | 55mg |
鉄 | 0.1mg | 0.4mg |
ビタミンB1 | 0.02mg | 0.14mg |
ビタミンB2 | 0.01mg | 0.04mg |
ナイアシン | 0.8mg | 3mg |
最後に
人間ドックで提供している雑穀玄米は、材料の配合に試行錯誤を重ねて、味や食感を一番感じられるようにブレンドしています。さらに圧力釜を使用して一気に炊き上げるため、パサつかずに柔らかく、食べやすい仕上がりになっています。生産者の想いも詰まった厚生連オリジナル雑穀玄米は、検査で疲れた体にも優しい味ですので、ドック受診時にぜひお試しください。
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