最終更新日:2025年12月1日

みなさんは”超加工食品”という言葉を耳にしたことはありますか?手軽に摂取できて、なおかつ美味しい食品は数多くありますが、その中でも高度に加工された加工度の高い食品のことを「超加工食品」といいます。健康志向の高まりにより加工食品や添加物など、気を付けている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は最新の情報をもとに、超加工食品についての正しい情報や身体への影響についてご紹介していきます。
超加工食品とは?
そもそも食品は「加工食品」「添加物」「生鮮食品」の3つに区分されます。
加工食品

製造や加工の工程を経て、食品としての本質が変化したり、新たなものが加わったりした飲食物。
例)缶詰、レトルト食品、インスタント食品など
添加物

食品の製造過程で食品の加工や保存・見た目を良くするなどの目的で使用されるもの。
例)保存料、甘味料、着色料、発色剤など
生鮮食品

加工食品及び添加物以外の飲食物。
例)精米、野菜、果物、生乳、肉、魚など
このように加工食品とは、生鮮食品に何らかの加工をしたものです。保存期間を長くすることや安価ですぐに食べられる利点もあり、現代の食生活には欠かせない加工食品ですが、加工食品の中でも今注目を集めているのがまさに「超加工食品」です。これは高度に加工され複数の添加物が加えられた食品や飲料の総称を指します。食品を製造加工の度合いで分類する新しい考え方は、近年食品の健康への影響を評価する上で注目されています。
身近な超加工食品

私たちに身近な超加工食品には、菓子パン、スナック菓子、カップ麺、インスタント食品、冷凍食品、清涼飲料水などがあります。一度も食べたことがないという方はいないのではないでしょうか。超加工食品は便利で手軽に楽しめる食品として、現代の食生活には欠かせない存在ですが、加工度が高くなるほど良質なたんぱく質や食物繊維が少なく、エネルギーが高くなる傾向にあります。さらに保存料、甘味料、着色料なども多く使用されています。
意外とみんな食べている!?
みなさんは何気なく超加工食品を多用しているということはないでしょうか?例えば、調理が面倒でインスタント食品や冷凍食品を日常的に食べていたり、朝食をスナック菓子にしていたりと…。日本人が1日に摂っている総エネルギー摂取量のうち、超加工食品の割合は約3~4割を占めています(3~79歳)。その中でも特にパンや麺類、菓子類の摂取が多いことが分かっています。ご自身の食生活を振り返り、超加工食品の摂取が多くないか確認してみましょう。
身体や心への影響

超加工食品の多用による健康障害は様々でてきています。2週間継続的に超加工食品のみを食べた人と、超加工食品以外の食品のみを食べた人の研究結果を比較すると、平均2kg体重に差がみられました。さらに、 うつ病やがんなどの疾患にも大きな影響を及ぼすことが指摘されています。健康障害を避けるためにも、普段の食生活を見直していくことが大切です。
今こそ食生活を見直そう!

健康のためにも、次のことを心掛けてみましょう。
1日に摂取する超加工食品の量が多くなりすぎないようにする
主食(米、パン、麺)・主菜(肉、魚、卵、大豆製品)・副菜(野菜、きのこ、海藻)の揃った食事を意識する
食品を選ぶ際は栄養成分表示をチェックして、なるべく添加物が少ないものを選ぶ
甘過ぎるもの、食塩が多いものは食べる量や頻度を減らす
普段の食事内容が偏っていないかを見直して、健康的な食生活を目指していきましょう!
まとめ

いかがだったでしょうか?超加工食品について、また摂りすぎた場合の健康への影響について、知っていただけたのではないでしょうか。加工食品は便利で手軽に楽しめる食品として私たちの食生活を豊かにしてくれる一面もあり、昔から日本で作られてきた塩漬けや燻製、しょうゆなどの発酵食品も立派な加工食品です。添加物や保存料を使用しなくても安全に美味しくする工夫もあります。加工食品を完全にやめることはもはや現代の生活では困難です。便利さと健康のバランスをとりながら加工食品も上手に使って豊かな食生活を送りましょう!
参考文献:
・消費者庁食品表示企画課 「食品表示基準における「生鮮食品」と「加工食品」の整理について
https://www.cao.go.jp/consumer/history/03/kabusoshiki/syokuhinhyouji/doc/s140124_shiryou2.pdf
(2025.10.22アクセス)
・医歯薬出版株式会社(2025.7.1)「超加工食品」『臨床栄養』Vol.147 No.1,18-41

