厚生連の人間ドックでは面談や会計を待つ間、ゆっくりとお過ごしいただける「Green Cafe」をオープンしています。カフェでご提供している「富士山プレミアム牛乳」は、農場で搾乳された翌日には店頭に並ぶほど鮮度の高い牛乳です。そこには「生乳本来の美味しさを保ったまま、新鮮な牛乳をたくさんの人たちに飲んでもらいたい」という生産者、工場、そしてJAクレインの熱い思いがあります。
今回はJAクレイン富士豊茂支店のご協力のもと、厚生連管理栄養士が産地に赴き取材してきましたのでご紹介します。
取材協力
朝霧乳業株式会社:取締役 簑さま
富士ヶ嶺生乳生産組合:組合長 小林さま
JAクレイン富士豊茂支店:舟窪さま、宮下さま
厚生連管理栄養士:有泉
クラシック音楽にミスト!ストレスフリーな牛たちが生活する牧場
はじめに富士ヶ嶺高原の小林牧場へお邪魔しました。ここでは180頭もの牛が舎飼いされており1日約6,000Lもの生乳を出荷しています。搾乳は朝5時と午後3時の2回で、1回に約3時間かけて行います。朝搾った生乳はその日のうちに工場へ運ばれます。
しぼりたての生乳を工場へ運ぶトラック
洗浄後の搾乳機
小林さま 牛乳は生ものだから鮮度が大事。北海道とか遠い場所から生乳を集めるメーカーもあるけど、製造までに時間がかかるから品質を保つために、本来しなくてもよい作業が入ることもある。貴重な命の恵みをいただいているわけだから、なるべくそのままの品質で届けたいよね。 |
小林牧場の牛たち
小林さま 畜舎の清掃は毎日するし、クラシック音楽をかけたりミストを使ったりして、ストレスがかからないように大切に育ててる。これを維持していくことが一番難しいんだけど、そこはJAさんがいるから大丈夫。酪農に集中できるのはJAさんのおかげだね。 |
宮下さま 小林さんは牛の顔全部覚えてるんですよ。顔みたらすぐどの牛かわかるから耳タグ(※)はいらないね。それぐらい愛情深く育ててますよ。だから僕らもそれに応えて頑張らないと。 ※牛の耳についている個体番号が記載されているタグのこと |
甘くて濃厚な味は殺菌温度が決め手!翌日には出荷できる新鮮な牛乳
「85°C15秒殺菌」と「乳脂肪分の均質化」
続いてお邪魔したのが朝霧乳業株式会社です。絞ったままの「生乳」を、製品である「牛乳」にするための工程を行います。
届いた生乳はその日のうちに「殺菌」と「乳脂肪分の均質化」を行い牛乳になります。生乳を牛乳にする際の一般的な殺菌方法は、120℃~140℃で1秒~2秒殺菌です。短時間のため大量の牛乳を効率的に製造できますが、低温殺菌に比べると生乳本来の味わいや濃厚さが少なく、人によっては焦げたにおいを感じることもあります。
しかし朝霧乳業では、85°C15秒の低温殺菌を行っています。作業工程は非常にシンプルですが、殺菌温度と時間はこの地域の生乳に合わせた独自のもので、本来の自然な甘さを損なうことなく、一番良い状態で製造することができます。また成分無調整のため、水分が多い牧草を食べる夏場はさらっとした喉越しを、乾草を食べる冬場は濃厚な味わいを楽しむことができます。
簑さま 理に適っていますよね。こう考えると牛乳は命の恵みだなと改めて感じます。生産者が毎日出荷してくれる生乳をきちんと処理して製品にする。それを365日ずっと続け積み重ねていく。生き物を扱う難しさもありますし、決して楽な製法ではないですが、効率化を求めるのではなく、生産者さんやJAさんと一緒に、ここでしか作れない安心でおいしい牛乳を提供したい。この思いが飲む人に伝わればいいなと思います。 |
365日休みなく。安心なおいしい牛乳を届けるJAクレイン
最後に牛乳の品質を検査するJAクレイン富士豊茂支店の検査室に伺いました。ここでは出荷前の牛乳の品質を検査しています。なかには検査をパスできず全て廃棄になるものもありますが、今まで培ってきた富士山プレミアム牛乳への信頼と生産者たちの思いを守るため365日休まず検査しています。
顕微鏡から見える成分
JAクレインの思いが形になった特別な牛乳が「富士山プレミアム牛乳」
厚生連のGreen Cafeで提供している富士山プレミアム牛乳
JAクレインでは特殊な性質を持つ牛乳という製品を、より多くの方々に飲んでもらえるよう新しい販売ルートを獲得したり、生産者が円滑に安心して酪農に集中できるようフォローするなどの調整役を担っています。
舟窪さま 名前にある「プレミアム」は、全国飲用牛乳校正取引協議会が定める「無脂乳固形分8.5%、乳脂肪分3.5%以上」を満たした生乳のみを使って製造された製品のみが使用できる表示です。この基準を常に満たす品質の良い生乳を提供し続けてくれる生産者の考えや、期待に応えられるよう取り組んでいます。富士山プレミアム牛乳に対する思いは生産者たちと同じです。 |
宮下さま そんな私たちの思いが形になった特別な牛乳を、値段以上の良さがあると知ってもらい、ぜひたくさんの人に広められるよう活動していきたいと思います。 |
富士山と広大な牧草地
寒さが厳しい冬場も、生産者や工場そしてJAクレインの方々は休むことなく安定したおいしい牛乳を届けるため、日々努力を重ねています。取材を通じ、三者が皆同じ目標を持ち互いに信頼し合うからこそ、この牛乳ができるのだと感じました。
JAクレインの方々が自信を持って送り出す「富士山プレミアム牛乳」。この思いを私たちもつないでいきたいと思います。
厚生連では生産者の想いがつまった美味しい牛乳を管理栄養士がジェラートにしてお届けしています
富士山プレミアム牛乳を使ったオリジナルジェラート
健診会場にキッチンカーで赴き、受診者にジェラートを提供
関連HP
取材協力先ホームページ
厚生連ホームページ
厚生連健康レシピ
厚生連のホームページで公開している健康レシピで、牛乳を使ったレシピを紹介します。