最終更新日:2024年2月8日
今までの栄養学では「何を」「どれだけ」食べれば良いかが重要視されてきました。
しかし近年、私たちの体には体内時計が備わっており、食事や生活リズムによって体内時計が動くことがわかりました。
今回は、「いつ」食べたら良いかという時間の概念を取り入れた「時間栄養学」をご紹介します。
体内時計とは
1日が24時間のサイクルを持つように、人間の体内にも時計のような仕組みが存在し1日の体のリズムを作っています。これが「体内時計」です。体内時計は脳にある「親時計」が正しい時間を刻み、心臓や肝臓、胃、腸、骨などあらゆる臓器の細胞にある「子時計」を統括しています。体内時計は目覚めや睡眠、体温、ホルモン、消化・吸収など様々なコントロールをしており、2017年には体内時計に関する研究がノーベル賞生理学・医学賞を受賞するなど、近年注目されている体のメカニズムです。
体内時計は毎日のリセットが大切
人間の体内時計は24時間よりも若干長いとされています。放っておくと少しずつ後ろにずれていき体に悪影響を及ぼすため、1日ごと体内時計をリセットしましょう。鍵は「光」と「朝食」です! まずは、朝起きたらカーテンをあけて朝日を浴びましょう。目から入った朝の光が脳にある親時計をリセットします。そして、朝日を浴びて1時間以内に朝食を食べることで消化器系の子時計がリセットされます。朝食の内容は主食・主菜・副菜を揃えると代謝が上がりやすいためおすすめです。
→コラム バランスの良い食事 を参照ください。
また、頭と体の時計がバラバラに動くと時差ボケの状態となり、不眠や倦怠感などの不調、それによる生活リズムの乱れから肥満のリスクを高める可能性もあります。毎日同じ時間に起きて朝食を食べ、体のリズムを整えることも大切です。
食べる時間で異なる太りやすさ
全身の細胞に存在するたんぱく質の一種にBMAL1(ビーマルワン)という時計遺伝子があります。BMAL1は脂肪合成を促進する遺伝子で、22時~2時に多くなります。つまり、夜遅い食事は脂肪をため込みやすいので注意が必要です。そのため夕食は20時までに終えましょう。どうしても夕食の時間が遅くなる場合は18時頃に先におにぎりなどの主食をとり、帰宅後におかずなどの副食を食べることがおすすめです。
また、BMAL1が一番少ない時間帯は15時です。おやつを食べるのであれば、脂肪として蓄えられにくい15時に食べてみてはいかがでしょうか。しかし、この時間に食べても太らないわけではないので、適量を守って楽しむようにしましょう。
間食におすすめヘルシーレシピ
★ヨーグルトチーズのティラミス風(ヨーグルト:カルシウム)
カルシウムの蓄積は夕方以降に高まるため、間食に取り入れるとgood!
★ 抹茶香るミルク寒(抹茶:カテキン)
抹茶や緑茶などに含まれるカテキンは夕方に摂取することで、血糖値抑制効果があります。
食事をする際は「いつ」食べたら良いかという時間の概念を取り入れ、食べる時間を味方により健康な体を作っていきましょう!
参考文献
・臨床栄養(2020)時間栄養学の最新エビデンス 医歯薬出版株式会社
・日経ヘルスプルミエ https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK07028_X00C11A3000000/