最終更新日:2025年10月1日

秋はだんだんと日が短くなり夜が長くなることから、寝苦しい夏と比べて涼しく寝やすい季節になると言われています。
そんな睡眠に適した季節ですが、あなたは今の睡眠に満足していますか?質の高い十分な睡眠は、心身の健康を保つことができます。しかし残念なことに、睡眠による休養が十分にとれていない人の割合は年々増えている傾向にあるため、睡眠で休養がとれた感覚(休養感)を確保する対策が必要です。睡眠による休養感を高め快適な睡眠ができるようにポイントを確認していきましょう。
良い睡眠とは
適切な睡眠時間(実際に眠っている時間)・床上時間(寝床にいる全時間)は世代により異なります
≪高齢者≫ 長い床上時間が健康リスクとなるため、床上時間が8時間以上にならないことを目安に必要な睡眠時間と確保しましょう。
≪成人≫ 適正な睡眠時間には個人差がありますが、6時間以上を目安として必要な睡眠時間を確保しましょう。
≪子供≫ 小学生は9~12時間中学・高校生は8~10時間を参考に睡眠時間を確保しましょう。
体が必要とするよりも長く寝床で過ごすと、途中で目が覚めやすく、休養感が得られにくくなります。自分にとって必要な睡眠時間を把握し、それに合わせて寝床で過ごす時間を見直しましょう。
寝だめは効果があるの?

睡眠不足を休日などにまとめて解消しようとすることを「寝だめ」で、睡眠不足を補ったりしていませんか?一時的に疲労を軽減し、すっきりした気分になりますが、この方法は体内のリズムを乱し、睡眠の質の低下、眠気が残るといった影響を引き起こします。休日でも起床時間は大幅にずらさず2時間以内、昼寝は20分以内の仮眠で15時以降遅い時間帯の昼寝は避け夜の睡眠の妨げにならないようにしましょう。
大切なのは睡眠による休養感
適切な睡眠の目安として、目覚めた時に休養感があることが重要です。睡眠休養感の低下は、身体の不良な健康状態とかかわることが明らかにされています。
良い睡眠のためのポイント
環境を整える
日中に光を浴びる

光を日中浴びることで夜間に催眠効果のあるメラトニン分泌が増加して、入眠が促進されます。
室内を適切な温度に保つ

室内は、暑すぎず寒すぎない温度に心がけましょう。夏はエアコンを活用し夜間を通じて涼しさを維持し、冬はトイレに行くときや早朝の極端な寒さによる健康リスクを避けるため、18度を下回らないよう室温調整しましょう。また、就寝1~2時間前にはお風呂に入り一度体温を上げることで眠りにつきやすくなります。
騒音が少なくする
騒音は、寝つきを悪くし睡眠の維持を困難にする可能性があるので静かな環境で眠りましょう。
スマートフォンやパソコンなどの使用を控える

就寝の1時間前から、スマートフォンやパソコンなどの使用は控えましょう。画面が発する光に含まれるブルーライトは、覚醒作用が強いことが指摘されています。
日中の運動・身体活動を増やす
日中に体を動かし、適度な疲労を感じることで寝つきが促され、中途覚醒が減り睡眠の質が高まります。重要なのは「運動の習慣化」です。
※身体活動とは、安静にしている状態より多くのエネルギーを消費する全ての動作のことを指します。
嗜好品との付き合い方を見直す

飲酒や喫煙などの嗜好品は、使用する量やタイミングを誤るとかえって睡眠に悪影響を与え、健康へのリスクが高まります。夕方以降はカフェインやアルコールの摂取はほどほどにして、寝酒は控えましょう。また、タバコには含まれるニコチンに強い覚醒作用があり、睡眠の質を低下させる原因にもなりますので、禁煙を始めることが大切です。
今回紹介したことを参考にしていただき、心身の健康のために質、量ともに十分な睡眠を確保していきましょう!
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(2025年9月1日アクセス)
祥伝社 「睡眠を脳の科学」 古賀良彦 2014

