最終更新日:2024年1月26日
寒さの厳しい季節になり暖房器具が恋しくなりました。
皆さんも日頃から、様々な防寒対策をしているのではないでしょうか?ホッと癒しをくれる暖房器具ですが、使い方を一歩間違えると大惨事。低温やけどは自覚症状のないまま進行することが多く、気づいた時には重篤になっていることがあります。
暖房器具の使い方を正しく理解して、安心・安全な生活を送りたいものです。
そこで今回は、危険な低温やけどについてご紹介したいと思います。

低温やけどとは
やけどは熱いものに直接触れて起こることが一般的ですが、体温よりやや高い程度でそれほど熱いと感じない温度でも、やけどをすることがあります。これを低温やけどといい、皮膚の同じ部位が長時間熱源(44~50℃)に触れ続けることで起こります。
同じやけどでも、低温やけどとその他のやけどとは全く別物です。
例えば、直火で焼いたお肉の表面はこんがり焼けていますが、中心部は熱くありません。
一方、遠火でじっくりとあぶったお肉は、中心部まで熱が通っていて熱々の状態です。
これと同じように低温やけどは、じわじわと時間をかけて進行していくのが特徴です。
やけどの深さと症状
Ⅰ度:皮膚の表面のやけど。赤くなり、ヒリヒリと痛みがある。数日で自然に治ることが多い。
Ⅱ度:水ぶくれができ、皮膚がピンク色や白色になることもある。強い痛みがある。
医療機関での治療が必要。
Ⅲ度:水ぶくれはなく、皮膚は黄色や赤茶色、黒色になる。痛みはない。
手術などの外科的処置が必要。
低温やけどの要因と起きやすい部位

それでは、どんなもので低温やけどになる可能性があるか、ご自身の生活を振り返ってみましょう。
一般的に防寒対策として多く使用されているのは、電気あんか、電気毛布、ホットカーペット、湯たんぽ、使い捨てカイロなどでしょうか。これらは少し熱い程度で、通常はやけどすることはありません。
しかし、使用方法や使用時間を守らずに間違った方法で使用してしまうと、低温やけどの要因となってしまいます。例えば、就寝中に使用したり、使用中にうっかり寝てしまうなど、意識があやふやな時に低温やけどの危険が迫ります。
低温やけどが起きやすい部位は、足のすね、くるぶし、かかとなど、触ると骨を感じられるような皮膚の薄い部位です。
もちろん、それ以外の部位でも低温やけどになることがあるので注意が必要です。
日頃から気をつけること
電気毛布などを防寒対策として使用する場合、就寝前に布団を温める用途で使用するのがお勧めです。
熱源が長時間同じ部位に当たり続けないよう、就寝中の使用には注意しましょう。
以下、製品ごとの注意事項です。
●電気毛布
就寝時には電源を切りましょう。
●湯たんぽや電気あんか
就寝時には必ず布団から取り出しましょう。
専用カバーや厚手のタオルに包んでも、低温やけどを起こす可能性があります。
●使い捨てカイロ
製品の取り扱い説明書の使用方法、使用時間を守りましょう。
同じ部位に長時間貼り続けない・肌に直接貼らない・べルトやガードルなどで押し付けて
使用しないようにしましょう。
上記のように、使用する際は取り扱いに十分注意して安全を自分自身で確保しましょう。
また自分自身で予防が難しい乳幼児や高齢者には、周囲が気にかけて注意してあげるようにしましょう。
低温やけどに気づいたら
低温やけどは、一見すると皮膚がちょっと赤い程度で痛みもほとんどなく、比較的軽い症状のように見えます。そのまま何事もなく治ってしまうこともあります。
しかし1~2週間経ってから突然患部が真っ赤に腫れたり黒くなるなど、忘れた頃にドカンと症状が現れることがあります。場合によっては手術が必要になるほど重篤になることもあります。
低温やけどは、通常のやけどの応急処置のように水で冷却しても効果は期待できません。実はできることはあまりないのです。
軽症、重症にかかわらず、気がついた時点で早期に医療機関を受診することをお勧めします。
今回は低温やけどについて紹介しましたが、いかがでしたか?
ご紹介した内容を参考に、寒い季節を安全に心地よく乗り切りましょう。
参考文献:
・山田幸生、「製品と安全 第72号(1993年3月)『低温やけどについて』」製品安全協会
・NHKきょうの健康 命を守る、救える!応急手当
・夏井睦、痛くない!早く治る!キズ・ヤケドは消毒してはいけない「うるおい治療」のすすめ

