最終更新日:2024年2月8日
冬を目前にだんだんと寒くなり、体調管理に一段と注意が必要な季節になってきました。
みなさんは、”ヒートショック”についてご存知ですか??
ヒートショックとは、気温差により血圧が変動することで心臓に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中を引き起こす現象のことです。ヒートショックを起こしやすいのは、冬場の冷え込んだトイレ・脱衣所・浴室など、極端な温度差がある場所です。
急な死も引き起こしかねない”ヒートショック”。今回はこれを予防する方法についてご紹介します。
入浴前と入浴後に水分を補給する
入浴すると汗をかき、体内の水分が減って血液がドロドロになります。その状態では血栓ができやすく、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしやすくなります。入浴による脱水を予防するために、入浴前後に水や麦茶などで十分な水分補給を行いましょう。
食後1時間以上空けてから入浴する
食後は、食事の消化のために胃や大腸に血液が集まり、血圧はやや低くなっています。
そこに入浴をするなど血圧を上げる行動をすると、血管内の変動がより大きくなりヒートショックを引き起こしやすくなります。食後すぐの入浴は控え、1時間以上空けてから入浴しましょう。
また、人の体温が一番安定する時間帯は16~19時といわれているため、この時間帯での入浴をおすすめします。
お酒を飲むなら入浴後に
飲酒をすると血管が拡張し、血圧低下を起こしたり体の反応も低下して転倒しやすくなるため、飲酒は入浴後にしましょう。
部屋間の温度差をなくす
脱衣所や浴室に暖房器具を設置するなどして部屋を暖かくし、部屋間の温度差をなくすことも重要です。
浴室内に暖房器具がなくても、浴槽にお湯を溜めるときはシャワーを使って高い位置から浴槽に注いだり、お湯を張った浴槽のフタを開けておいたりすると、浴室内は暖まります。
また、1番風呂は避けて2番目以降に続けて入るようにすると、室内が暖まっている状態で入浴することができます。
足元からゆっくりとお湯に浸かる
入浴時にはいきなり浴槽に入らず、心臓に遠い手や足からかけ湯をするなどお湯の温度に体を十分に慣らしてから浴槽に入るようにすることで、急激な血圧の変化を防ぐことができます。
浴槽の湯温を低めにする
浴槽の湯温が高いと心臓に負担がかかります。38℃~40℃程度のぬるめのお湯に浸かり、熱いお湯を足して徐々に湯温を上げましょう。
長湯をしない
長湯をすると心臓に負担がかかり、疲労感が増し転倒しやすくなります。
また、血圧が下がりすぎてしまい、入浴後に血圧が急上昇するとそのショックで症状が発生しやすくなります。入浴は10~15分程度にしましょう。
浴槽から急に立ち上がらない
浴槽から出るときに急に立ち上がると、血圧は急激に下がります。すると立ちくらみを起こして転倒のリスクが高まりますので、予防策としてつかめるような手すりを設置しておくことも大切です。
トイレに暖房器具を置く
浴室や脱衣所と同様にトイレも小さな個室であり、寒い空間であるのが通常です。現在は人感センサー付き電気温風器や、ヒーターが一体となった天井照明など、場所を取らない暖房器具も販売されています。それらを活用してトイレにも暖房設備を設置しましょう。
これらの対応をすることで、ヒートショックを予防することは可能です。ぜひ参考にしていただき、この冬も元気に過ごしてください。
<参考文献>
・独立行政法人東京戸健康長寿医療センター「冬場の住居内の温度管理と健康について」
・「寒い住まい」が命を奪う~ヒートショック、高血圧を防ぐには~/