最終更新日:2023年11月13日

寒い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。なるべく外に出ずできればあたたかい部屋にいたいものです。しかし、そうすると運動不足になりやすく腸の動きも眠ったままになってしまいます。冬になると寒さで身体が冷え、血の巡りが悪くなることで、腸のぜん動運動も鈍くなり便秘に陥りやすいです。今回は便秘を解消するための、よりよい腸活習慣をご紹介します。
便秘の定義とは

“本来体外に排出すべき糞便を十分量かつ快適に排出できない状態”を便秘としています。ポイントは具体的な日数が明記されていないことです。最後の排便から何日経っているかは評価基準ではないのです。つまり2~3日排便がなくても毎回スルッと出せれば問題はなく、逆に毎日排便をしていたとしても、いきみながらしていたり、残便感をともなう状態だと便秘の疑いがあるということになります。
よりよい腸活習慣のためのポイント
① 朝はコップ一杯の水とストレッチで腸を動かす
夜間、副交感神経が活性化している腸は、ぜん動運動によって便を直腸へと送っているので、一般的に朝は排便の準備が整っています。そのため朝に排便の習慣をつけておくと、お腹がスッキリした状態で1日をはじめることができます。排便にリズムがないという人は朝起きたら少しの刺激を与えると良いでしょう。これで毎朝排便をするというリズムをつくります。その手段としては、空っぽの胃にコップ1杯のお水を流し込むことと、ストレッチをして腸を動かすことです。お水を飲むことで胃が下がり腸を刺激します。ストレッチは腸を直接動かして刺激します。お水を飲んでカラダの内側から、ストレッチをしてカラダの外側から腸へ刺激を与え、毎朝の排便習慣を身につけましょう。
② ゆっくりよく噛んで少量で満腹感を得る
美味しい食事は楽しいですし、人によってはストレス解消にもなるでしょう。それでもやはりお腹いっぱいまで食べるのではなく、腹七~八分でとどめることが大切です。日頃から満腹まで食べていると、血糖値の変動が激しくなり、血管に負担をかけてしまいます。さらに肥満や糖尿病などの健康リスクを高める要因にもなります。また、食べ物を消化するために、胃や腸にも必要以上に負担をかけるので、まさに百害あって一利なしといえます。腹八分目とは、本当に胃の八分目まで食べることではありません。満腹感は、胃に食べ物が入り胃壁が拡張すること、食べ物が分解されて血糖値が上昇することの2点を、脳が感じとることで得られると考えられています。これは胃に食べ物が入ってから約20分程度はかかるため、できるだけゆっくりよく噛んで食べれば、少量でも満腹感を得ることができるのです。ひと口で20回は噛むことを目標にして実践してみましょう。
③ 毎朝決まった時間に起き朝日を浴びる
程度の差こそあれ、人間は朝太陽が昇ると目が覚め、夜になると眠くなります。目の奥の神経核がホルモン分泌などを制御することで「体内時計」を機能させています。この体内時計の周期は実は24時間ではなく、25時間に近いと言われています。ですが太陽光などの光を浴びることで、それを刺激として体内時計を前進させズレを修正してくれるのです。そのため、朝起きたら部屋のカーテンを開け、朝日をカラダいっぱいに浴びる習慣をつけましょう。毎朝、決まった時間に体内時計をリセットすることで自立神経が整い、それが腸へ良い影響を与えます。
④ 味噌や納豆、チーズなど菌の宝庫である発酵食品を食べる
発酵食品とは、麹菌・乳酸菌・酢酸菌・納豆菌などの微生物の働きによって、食材が人間にとって有益に変化したものを指します。発酵食品は実は「一汁三菜」を基本とした和食で自然と摂取できます。無理して特別な食材を買い集める必要もありません。バランスの取れた和食中心の食生活を心がけましょう。
便秘にならない「トイレ習慣」
① とりあえず5分間トイレに座る。
便意がなくてもとりあえず決めた時間に5分間座ってみましょう。また、つま先を立てて座ることで、S状結腸と直腸がまっすぐになり、便が出やすくなります。
② 朝食を食べる
起床したら食事を必ずとるようにしましょう。腸に食べものが入ってくると反射作用が起こり、前日のS状結腸にたまっていた便が動きだします。
③ 手や顔に冷たい水をかける
トイレに座っていてもどうしても便が出ない場合は、一度手や顔に水をかけてみましょう。冷たさを感じることで自立神経が反応し、腸神経にも作用して便意を催すことがあります。
④ たくさん水を飲む
便秘気味の人の便は絞りかすのように水分が不足した状態です。常温水を飲むことで、腸の血液量を増やすだけでなく、便をやわらかく出しやすくする効果があります。
今回ご紹介したポイントを実践し、腸内環境を見直して脱便秘を目指しましょう。
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小林弘幸、腸ストレッチ:新星出版社

