最終更新日:2024年4月23日
梅雨も明けいよいよ本格的に暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
快晴の日は朝からとても気分が良くなりますよね。洗濯物はよく乾き、外にお出かけしたくもなります。しかし、そんな晴れの日は紫外線が気になる人も多いのではないでしょうか。最近では日焼け止めや日傘など、対策グッズも種類がたくさんあり迷ってしまうかもしれません。そこで今回は紫外線や対策方法について簡単にご紹介していきますので、この夏を乗り切るための参考にしてください。
紫外線とは
紫外線は太陽光線のうちの1つです。太陽光線は紫外線(UV)、可視光線(VIS)、赤外線(IR)の3つの異なる波長が混ざり合ってできています。また、紫外線の中でも波長の長さによってUV-A、UV-B、UV-Cの3種類に分かれます。UV-Aの紫外線は1番長い波長です。大気に吸収されることが少ないことから、地表に届く全紫外線の約95%に相当します。そして残りの約5%がUV-Bが占めており、UV-Cは地表に届く前にオゾン層などの大気圏が吸収しているといわれています。これらの紫外線が体に及ぼす影響の度合いを示したものを「UV指数」といいます。7~8月は1年間の中でもUV指数が高くなる時期です。
紫外線が体に及ぼす影響
次に紫外線が私たちの体に与えるメリットとデメリットをそれぞれ見ていきましょう。
メリット
体内でビタミンDを生成してくれることです。ビタミンDは腸からのカルシウムの吸収を2~5倍程度増加してくれます。ビタミンDが不足すると、食事でカルシウムを摂っていても十分に吸収されず、カルシウム不足になってしまいます。血液中のカルシウムが不足するとけいれんなどを引き起こす可能性があるため、骨からカルシウムを溶かして補うようになります。その結果、骨の強度が低下してしまいます。ビタミンDの必要量を食事だけで補うことは難しいため、紫外線が大切になります。
デメリット
一番有名なのは日焼けです。日焼けには2種類あり、日光にあたって数時間後から赤くヒリヒリした炎症が起こるサンバーンと、日光にあたってから数日してから肌が黒っぽくなるサンタンです。サンバーンは2~3日間程度で消えますが、プールや海水浴などで日にあたりすぎた場合はなるべく早めに冷やすとよいです。サンタンは紫外線によって色素細胞が刺激されメラニンをたくさんつくるため数週間から数か月続きます。他にも、光線過敏症という皮膚症状もありますので、他の人と比べて著しくひどい症状の場合は皮膚科医の診察を受けてください。さらに、長年日光を浴び続けていると、皮膚のしわやシミ、ときには良性や悪性の腫瘍ができてしまうことがあります。
また、紫外線は目にも影響があります。強い紫外線にあたったときには紫外線角膜炎という症状があらわれ、雪面など特に紫外線の反射が強い場所で起きる雪目と呼ばれているものが有名です。また、翼状片や白内障も紫外線に影響して起こる可能性があります。
紫外線の対策方法
①紫外線の強い時間帯を避ける
UV指数が最も上がる正午前後は避け、屋内で過ごすことを考えましょう。概ねUV指数が3以上は紫外線が強いと言えるので、テレビやインターネットなどの紫外線情報を参考にするのも良いでしょう。
②日傘や帽子を利用する
太陽からの直接的な紫外線を防いでくれます。
③肌を衣類で覆う
体を覆うことで紫外線から守ってくれます。皮膚に到達する紫外線を減らすためには、しっかりとした織目、編目を持つ生地を選ぶことが大切ですが、通気性や吸収性が悪いと熱中症を起こす可能性があるので無理のない範囲で着られるものを選びましょう。
④サングラスを使用する
紫外線防止効果のあるサングラスや眼鏡を使うことで最大90%の紫外線をカットしてくれるといわれています。
⑤日焼け止めを使用する
外に出る前に塗ることはもちろんのことですが、衣類のこすれや汗で落ちてしまうため2~3時間おきに塗り直しをすることが大切です。日焼け止めの効果はSPFとPAが表示されています。SPFはUV-Bへの効果、PAはUV-Aへの効果を意味しています。UV指数の高い時間帯に長く外出する場合は、SPF、PAともに高い防御指数の日焼け止めを使用することがおすすめです。また、1日の終わりには肌に塗った日焼け止めをきちんと落としましょう。
いかがだったでしょうか?新型コロナウイルスが5類になって初めての夏、たくさんの楽しみを計画していることと思います。紫外線対策を行い、素敵な夏をお過ごしください。
参考文献
中島俊夫(気象予報士)著 イラスト図鑑よくわかる気象学第2版
森田正光(お天気キャスター) 生活力がアップする!お天気&気象情報の使い方・愉しみ方
国土交通省気象庁ホームページ 気象庁| 紫外線情報(分布図)
環境省 (令和2年3月更新) 紫外線環境保健マニュアル2020