最終更新日:2024年9月1日
猛暑となった今年の夏、病院へ行くほど辛くはないがなんとなくだるい、平熱なのに熱っぽい、体が重く感じるなど、気になる体の不調はありませんか。気候の変化を含め、現代社会においてストレスや、生活習慣の乱れからくる体調不良に悩む人は少なくありません。このようなとき、薬に頼らず、自然な方法で体調を整えたいと考える方は多いのではないでしょうか。そこで今回は、東洋医学において広く用いているツボ押しとリンパケアで、体を整える方法をご紹介いたします。
ツボ押し
ツボは古代中国で生まれた東洋医学の考え方です。東洋医学では、人の体には生命エネルギーの通り道「経絡(けいらく)」があるといわれており、この経絡の流れがスムーズだと体のバランスが保たれ、健康を維持できると考えられています。経絡は約14本あり、それぞれが特定の臓器と深い関係にあるといわれ、この経絡上の要所要所に点在するのがツボです。このツボを刺激することにより体の不調に対しての診察、治療を行います。
WHOが定めたツボは361箇所ありますが、今回はその中でも、不調の改善に効果的なツボをいくつか紹介します。
◎合谷(ごうごく)
位置手の甲、親指と人差し指の骨が交わるところにあります。 指を広げたときにできるくぼみの中央付近です。 押し方反対側の親指を使って強めに押し、他の指で支えながら数秒間押したり離したりを繰り返します。 効果頭痛の軽減 肩こりの緩和 ストレスの解消 |
肩井(けんせい)
位置首の付け根と肩先の真ん中辺りにあります。 押し方人差し指・中指・薬指を使って、肩井を左右交互に3秒×3回押します。 効果肩こりの緩和 背中の痛みの緩和 |
内関(ないかん)
位置手首の内側、手首のしわから指三本分ほど肘側に進んだところにあります。 押し方反対側の手で腕を支えながら、親指で内関を押し、じっくりと圧をかけます。30秒ほど続けると効果的です。 効果吐き気や乗り物酔いの緩和 不安感の緩和 心の落ち着き |
◎腎愈(じんゆ)
位置ウエストラインに沿って、背骨から指2本分外側にあります。 押し方親指を使って押します。押しにくい場合は、床にテニスボールなどを置き、その上に寝転んで押してみましょう。 効果腰痛の緩和 腎臓の働きを助ける |
足三里(あしさんり)
位置膝のお皿外側、膝下約指4本分のところにあります。 押し方親指または指の関節を使って、ゆっくりと圧をかけるように押します。両足交互に行い、各足で1~2分続けると効果的です。 効果疲労回復 胃腸の調子を整える 免疫力の向上 |
神門(しんもん)
位置耳の上部にある軟骨のくぼみの辺りにあります。 押し方親指と人差し指で耳の上部をつまみ、円を描くようにして、10秒ほど押します。 効果自律神経を整える ホルモンバランスを整える |
リンパケア
リンパ液には全身の不要な水分や老廃物を回収する働きがあります。リンパ液が流れる管をリンパ管といい、全身に網目状に張り巡らされ、体の末端(手や足)から中心(鎖骨の下)にかけて一方向に流れています。血液は心臓のポンプ機能により、流れが滞ることなく全身をめぐりますが、リンパ液は周囲の筋肉を動かさないとスムーズに流れません。特に運動不足や緊張状態が続いていると、筋肉の動きが悪くなりリンパ液がつまりやすく、むくみに繋がります。
こうした状態を改善するため、マッサージによってリンパ液の流れを促進し、体内の老廃物を排出する手助けをするのがリンパケアです。次でリンパケアの方法や効果をご紹介します。
耳の下から鎖骨にかけてのマッサージ
方法
耳の下から鎖骨にかけて軽く押し流すようにマッサージします。
効果
顔のむくみの解消
リラックス効果
脇の下のマッサージ
方法
脇の下を軽く押しながら、円を描くようにマッサージします。
効果
肩こりや腕の疲れの解消
ふくらはぎのマッサージ
方法
ふくらはぎの下から上に向かって軽くさすり上げます。
効果
足のむくみの解消
血行促進
いかがだったでしょうか? ツボ押しやリンパケアは、強い力で行うと逆効果になることがあります。心地よいと感じる程度の力で行い、痛みがある場合はすぐに中止してください。また、持病がある方や妊娠中の方は医師に相談してから行うようにしましょう。
参考文献
・伊藤和憲 頭痛&気象病を改善!鍼灸のチカラ 心身を整える!東洋医学 NHKきょうの健康 NHK出版 2023年6月6日 2023年6月号
・NHK あしたが変わるトリセツショー
・大正製薬製品情報サイト 疲れに効くコラム