最終更新日:2024年2月8日
9月21日は「世界アルツハイマーデー」。今月は認知症・アルツハイマーへの理解を深める月間です。
皆さんは世界で何秒に1人が認知症を発症しているかご存じですか?
約3秒に1人が世界のどこかで認知症を発症しています。
国内における認知症患者も年々増加をしており、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると言われています。認知症は人ごとではなく、身近な問題として捉え、予防していくことが大切です。
認知症とは
脳の機能低下により日常生活や社会生活に支障が出るようになった状態です。
認知症にはいくつかの種類がありますが、発症者の約半数以上を占めているのが「アルツハイマー型認知症」です。脳内に異常たんぱく質(アミロイドβ)が蓄積し、脳の神経細胞が障害を受けることが原因と言われています。
ここからは「異常たんぱく質」の蓄積を防ぐ方法を見ていきましょう!
認知症は発症してから食事を見直せばよいの?
認知症は「発症したら治らない」と考えられてきましたが、認知症への研究が進み、発症予防の方法や早い段階で認知症を見つけて治療することで進行を遅らせることができると分かってきました。
というのも、アルツハイマー型認知症発症の20~25年前から異常たんぱく質の蓄積があり、蓄積の原因は糖尿病や高血圧、肥満などの生活習慣病の影響が関わっていることが分かってきたからです。認知症は発症してから食事を見直すのではなく、日々の食事をバランスよく食べ、生活習慣病を防ぐことで将来の認知症発症を予防することに繋がります。
生活習慣病を予防するためには適正なエネルギー摂取とバランスの良い食事が大切です。
健康な人の場合、1日のエネルギー摂取量のうち6割程度を主食で摂ります。主食とは、ごはん・パン・麺類(そば、うどん、パスタなど)です。1食の適量は性別や体格で異なりますが、一般的な主食の量は以下の通りです。
主食となるごはんには糖質が含まれていますが、過剰な糖質摂取による血糖値の急上昇は脳の異常たんぱく質の排泄を阻害します。そのため、主食は適正の範囲に抑えることが大切です。
また、主食の単品食べは血糖値の急上昇に繋がります。一緒に魚や肉などの主菜、野菜・海藻・きのこなどの副菜を揃えるようにしましょう。副菜を先に食べると血糖値の急上昇を防ぐことができるため、主菜・副菜を揃えたバランスの良い食事は大切です。
主菜・副菜の適量の摂り方は食事コラム「主食・主菜・副菜を揃えてバランスのよい食事を」を参考にしてみてください。
認知症予防におすすめ食材
脳の健康に役立つ栄養素を取り入れることも大切です。以下の食材が普段少ない方は積極的に取り入れていきましょう!
青魚
サンマ、アジ、イワシ、サバなどの青魚にはDHAという脳の構成成分である油が含まれています。
鮭
鮭は白身魚ですが、青魚に負けないくらいDHAが豊富です。脳細胞や血管老化予防になるアスタキサンチンという物質も含まれるため、認知症予防に役立ちます。
ブロッコリー
ビタミンB1を多く含みます。ビタミンB1はごはんやパンなどの糖質の代謝に役立ちます。また、脳神経にダメージを与えるホモシステインという悪玉物質を減らす作用もあります。
カレー粉
カレー粉に入っているウコンにはクルクミンという脳のサビつきを予防する物質が含まれます。クルクミンは異常たんぱく質であるアミロイドβが脳内に溜まる速度を抑えることが分かっています。
緑茶
緑茶に含まれるカテキンには抗酸化力があり、脳の老化を防ぎます。
これらの食材を使用して「料理」をすることも認知症予防に繋がります。
料理は食材を切る、炒める、盛り付けなどの作業を同時に行うため、脳の活性化に繋がり、認知症予防の効果も期待されています。
認知症予防のおすすめ食材で作れる厚生連オリジナルレシピをご紹介します!
簡単に作れるレシピですのでぜひ作ってみてください♬
認知症予防に取り入れよう!おすすめ食材レシピ♪
★カレー粉
★ 鮭
ある日突然認知症になるわけではありません。現在の食生活を少しでも変えていくことで、将来の認知症発症リスクを下げることができます。是非、今日からできることを始めてみましょう!
参考文献
・アルツハイマー革命ぼけた脳がよみがえる 白澤卓二
・健康長寿ネット 認知症予防のための食事とは
https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyou-shippei/yobou-nichi-shokuji.html